Scherer T, O'Hare J, Diggs-Andrews K, Schweiger M, Cheng B, Lindtner C, Zielinski E, Vempati P, Su K, Dighe S, Milsom T, Puchowicz M, Scheja L, Zechner R, Fisher SJ, Previs SF, Buettner C.
Cell Metab. 2011 Feb 2;13(2):183-94.
【まとめ】
インスリンは主要な抗脂肪分解ホルモンである(Insulin is a major antilipolytic hormone)。白色脂肪組織(WAT)においてインスリンによる脂肪分解抑制が効かないと(unrestrained lipolysis)、遊離脂肪酸が増加し、全身のインスリン抵抗性・脂肪毒性(lipotoxicity)につながる。またインスリンは脂肪合成を促進する作用があり、これが阻害されると(impaired de novo lipogenesis)、パルミトオレイン酸のようなインスリン感受性脂肪酸の合成が減少してしまう。
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本研究ではSDラットの視床下部にインスリンを注入したところ、脂肪組織のHSL活性が低下し脂肪分解が抑制された。また、神経におけるインスリン受容体欠損マウスでは脂肪分解抑制が効かず、脂肪合成が障害された。したがって、視床下部におけるインスリン抵抗性が、遊離脂肪酸の増加・インスリン感受性脂肪酸の低下につながり全身のインスリン抵抗性をもたらすという悪循環をきたすと考えられた。
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【論文内容】
SDラットの第三脳室(icv)またはmediobasal hypothalamus (MBH)にインスリンを注入し視床下部局所のインスリン濃度を上昇させるモデル(膵クランプにより血糖は正常一定に保った)を用いて、脂肪組織の脂肪分解・脂肪合成について検討した。視床下部インスリン刺激により、全身の脂肪分解は抑制(血中グリセロール・遊離脂肪酸が低下)し、このlipolytic fluxが肝の糖産生(HGP)を増加させた。視床下部のインスリン刺激は、脂肪分解酵素であるHSL(hormone sensitive lipase)のPKAによるリン酸化・活性化を抑制した。
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インスリンはWATにおける脂肪合成を増加させ、これによりインスリン感受性ホルモン(lipokine)と考えられる脂肪酸であるパルミトオレイン酸(palmitoleate、16:1n7)合成が増加することが知られている。視床下部インスリン刺激でも脂肪合成酵素(FAS、ACC)発現が増加し、脂肪合成が亢進した。
これらの効果が交感神経系(SNS)を介しているかを検討するため、外科的および6-OHDAを用いた薬理学的交感神経切断を行ったところ、これらの操作でHSLリン酸化が抑制された。また、脳のインスリン抵抗性を導入するため、S961の投与(インスリンがインスリン受容体に結合するのを阻害するペプチド)、および神経特異的インスリン受容体欠損マウス(NIRKO)を用いて同様の実験を行ったところ、脂肪分解抑制・脂肪合成亢進がブロックされた。脂肪合成では特にpalmitoleateの合成亢進がブロックされていた。
【結論】
脳におけるインスリン抵抗性は、交感神経系の低下を介して脂肪分解抑制をブロックし、グリセロールと遊離脂肪酸を血中に放出、肝における糖産生を増加させ全身の脂肪毒性を悪化させる。また、脳におけるインスリン抵抗性は、肥満時に見られる脂肪合成酵素の発現を減少させ、インスリン感受性脂肪酸であるpalmitoleateを減少させ全身のインスリン抵抗性を引き起こすと考えられる。
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